概要: 楽天証券の手数料体系について、ゼロコースと超割コースの違いを中心に解説します。国内株式の売買手数料が無料になる条件や、NISA・米国株・投資信託などの手数料、デイトレードでの活用法まで詳しく紹介します。
楽天証券の口座開設方法と基本の手数料体系を解説
口座開設はWebで完結、NISAも同時申込可能
楽天証券の口座開設は、大きく分けて「証券総合口座」の申込、本人確認書類の提出、初期設定・入金という流れで進みます。まず公式サイトからメールアドレスを登録し、氏名や住所などの基本情報を入力します。
その後、マイナンバーカードや運転免許証などを使ってオンラインで本人確認を行います。郵送でのやり取りは原則不要で、最短当日から取引を開始できます。NISA口座が必要な場合は、総合口座と同時に申し込むことも可能です。
なお、2026年6月以降、ログイン時には「パスキー認証(FIDO2)」が利用者ごとに順次必須化されています。従来のID・パスワードに加えた認証方式への対応が必要です。
国内株式の手数料は3つのコースから選択可能
楽天証券の国内株式取引手数料には、ゼロコース、超割コース、いちにち定額コースの3つのプランがあります。代表的なゼロコースでは、国内株式の現物取引と信用取引の手数料が完全無料です。ただし利用にはSOR(Rクロスを含む)への同意が必須となります。超割コースは従来型の従量制で、取引金額に応じて55円(税込)から手数料が発生します。
いちにち定額コースは、その日の取引金額合計が100万円以下なら手数料は0円です。どのコースを選んでも、カスタマーサービスセンターのオペレーターを介した電話注文では、最大4,950円(税込)の追加手数料がかかる点に注意が必要です。
ポイント投資やクレカ積立で楽天経済圏と連携
楽天証券の大きな魅力は、楽天グループのサービスと連携できる点です。楽天カードを使った投資信託の積立(クレカ積立)では、毎月100円から10万円まで決済でき、保有するカードの種類とファンドの代行手数料に応じて0.5%から最大2%の楽天ポイントが還元されます。
また、貯まった楽天ポイントを1ポイント=1円として投資信託や米国株式の購入に充てる「ポイント投資」も利用できます。楽天市場での買い物時にポイント還元率がアップするSPU(スーパーポイントアッププログラム)の条件を満たすことにもつながりますが、SPU条件は変更される可能性があるため、利用時に最新情報を確認しましょう。
楽天証券の口座開設はオンライン完結。国内株式の手数料体系はゼロコース・超割コース・いちにち定額コースの3種類から選択し、楽天ポイントを活用した投資も可能です。
ゼロコースとは?国内株式の売買手数料が無料になる条件と注意点
ゼロコースなら国内株式の現物・信用取引が0円
ゼロコースは、楽天証券が提供する手数料プランの一つで、国内株式の現物取引・信用取引の手数料が約定金額にかかわらず完全無料になります。2023年10月から提供が開始され、単元株だけでなく、1株から購入できる「かぶミニ」も対象です。
達成条件は一切なく、証券総合口座を持つ方なら誰でも選択できます。ただし、手数料が0円だからといって、売買成立後の受渡代金や信用取引の金利・貸株料といった諸費用まで無料になるわけではありません。
利用にはSOR・Rクロスへの同意が必須条件
ゼロコースを利用するには、楽天証券が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング)注文の利用に同意する必要があります。SORとは、複数の市場から最も有利な価格で注文を執行するシステムで、手数料を含めた総合的な取引コストの最小化を目的としています。
このSORには、楽天証券が運営する社内取引システム「Rクロス」も含まれます。Rクロスでは投資家同士の売買注文を直接付け合わせるため、条件によっては注文が取引所ではなくRクロスに回送されることがあります。「完全無条件の無料」ではなく、この仕組みへの同意が前提である点は正確に理解しておきましょう。
外国株式や先物取引の手数料は別途必要
ゼロコースで手数料が0円になるのは、あくまで国内株式の現物取引と信用取引です。米国株や中国株などの外国株式、先物・オプション取引、金・プラチナ・銀の取引には通常通りの手数料がかかります。
ただし、ゼロコースを選択していても、外国株式や先物・オプション取引の手数料に対して1%分の楽天ポイントが還元されます。国内株式の手数料は0円のため、国内株式分のポイントバックは発生しません。また、IFA(投資助言代理業)契約を結んでいる方は、手数料体系が異なる場合があるため、事前に確認が必要です。
ゼロコースは国内株式の現物・信用手数料が0円。ただしSOR・Rクロスへの同意が必須で、外国株式や先物取引の手数料は別途発生します。
超割コースとは?ゼロコースとの違いや大口優遇の条件を比較
超割コースは従来型の従量制、最低55円から
超割コースは、取引金額に応じて手数料が決まる従量制のプランです。現物取引の場合、取引金額が5万円までなら手数料は55円(税込)、100万円までなら535円(税込)、3,000万円を超えると1,070円(税込)になります。
信用取引では、10万円まで99円(税込)、50万円を超えると385円(税込)です。少額取引であっても最低55円の手数料が発生するため、国内株式を頻繁に売買する方ほどゼロコースとの差が大きくなります。超割コースの最大の特徴は、取引手数料の1%分が楽天ポイントとして還元される点です。
大口優遇を達成すれば手数料0円+ポイント2%還元
超割コースには、一定条件を満たすと適用される大口優遇制度があります。条件は複数あり、信用取引の当日新規建約定金額合計が3,000万円以上、1カ月の新規建約定金額合計が3億円以上、または投資信託や貸株の月間平均残高が3,000万円以上などのいずれか一つを達成すれば対象です。
一度条件を達成すると、3カ月間は大口優遇が継続します。この間、国内株式の現物・信用取引手数料が完全無料になるうえ、ポイント還元率が2%にアップ、さらに信用建玉上限も拡大されます。条件を満たせる方にとっては、ゼロコースより超割コースの大口優遇のほうがメリットが大きくなります。
ゼロコースとの比較表で自分に合うコースを判断
ゼロコースと超割コース(大口優遇)を正しく比較するには、SOR同意の必要性、ポイント還元率、信用建玉上限の違いに注目する必要があります。以下の表で整理します。
| 比較項目 | ゼロコース | 超割コース(大口優遇) |
|---|---|---|
| 国内株式手数料 | 0円 | 0円 |
| SOR利用同意 | 必須 | 不要 |
| ポイント還元率 | 外国株等は1% | 2%(取引手数料に対して) |
| 信用建玉上限拡大 | なし | あり |
| 達成条件 | なし(ただしSOR同意が条件) | 必要(いずれか1つ) |
大口優遇の条件を達成できる方は超割コース、条件達成が難しい方やSORに抵抗がない方はゼロコースを選ぶのが合理的です。
超割コースは従量制で最低55円。大口優遇を達成すれば手数料0円+2%ポイント還元となり、ゼロコースより有利になる場合があります。
米国株・投資信託(NISA)・ビットコインの手数料とポイント還元
米国株の手数料はコースに関わらず有料
楽天証券で米国株式を取引する場合、ゼロコースを選択していても手数料は無料になりません。米国株の売買手数料は約定代金の0.495%(税込)が基本で、最低手数料は0ドル、上限手数料は22ドル(税込)です。加えて、日本円と米ドルを交換する際の為替コストも発生します。
ただし、米国株取引で支払った手数料に対しては、ゼロコース・超割コースとも1%分の楽天ポイントが還元されます。超割コースの大口優遇適用中なら2%還元です。NISA口座で米国株を購入すれば売却益や配当金が非課税になりますが、米国現地で課される源泉徴収税(10%)は非課税になりません。
投資信託はノーロードが中心、NISAでも手数料無料
楽天証券が取り扱う投資信託の多くは、購入時の販売手数料がかからないノーロードファンドです。NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠)で購入すれば、売却益や分配金が非課税になるうえ、取引手数料も原則無料となります。
ただし、投資信託自体の運用費用である信託報酬や、解約時に差し引かれる信託財産留保額は、NISAであっても負担する必要があります。これらのコストはファンドごとに異なるため、購入前に目論見書で確認することが重要です。「NISAならすべてのコストが無料」という誤解をしないよう注意しましょう。
また、NISAの年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円の合計最大360万円で、非課税保有限度額は合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。売却した商品の取得価額分は翌年以降に総枠が復活しますが、その年の年間投資枠は復活しません。
ビットコインを含む暗号資産は楽天ウォレットで取扱い
楽天証券自体は暗号資産(仮想通貨)の取引を扱っていません。楽天グループでは、楽天ウォレットがビットコインやイーサリアムなどの暗号資産取引サービスを提供しています。楽天ウォレットでの暗号資産取引には、スプレッド(売買価格差)が発生し、販売所形式での取引手数料は無料です。
楽天証券の口座と楽天ウォレットの口座は別物であり、楽天証券の手数料コースやNISA口座の非課税枠は暗号資産取引に適用されません。また、楽天ポイントを使って暗号資産を購入することも可能ですが、投資信託や米国株のポイント投資とはサービスが異なるため、別途確認が必要です。
米国株手数料は有料だが1〜2%のポイント還元あり。投資信託はノーロード中心でNISAでも手数料無料。暗号資産は楽天ウォレットでの取扱いです。
楽天証券のデメリットとデイトレードに向いている人の選び方
デメリット1:SOR同意とコース選択の複雑さ
楽天証券の最大の注意点は、ゼロコースを利用する際にSOR・Rクロスへの同意が必須となることです。最良価格での執行を目指す仕組みですが、自分の注文が取引所ではなく社内システムで処理される可能性があり、これに抵抗を感じる投資家もいます。
また、コースが3つに分かれているため、自分に最適なプランを選ぶには取引スタイルや金額をある程度把握しておく必要があります。超割コースのまま気づかずに手数料を支払い続けているケースもあるため、現在のコース設定を確認することをおすすめします。コース変更は公式サイトから手続き可能です。
デメリット2:NISAの損失は損益通算できない
NISA口座で発生した損失は、特定口座や一般口座の利益と損益通算できません。また、株式などを売却して損失が確定しても、その損失を翌年以降に繰り越すこともできません。値下がりリスクは通常の課税口座と変わらず存在するため、「NISAならリスクがない」わけではない点を理解しておく必要があります。
さらに、NISAで保有する国内上場株式の配当金を非課税で受け取るには、「株式数比例配分方式」の設定が必要です。この設定を忘れると、せっかくNISAで保有していても配当金が課税対象になってしまうため、口座開設時に確認しておきましょう。
デイトレーダーは超割コース大口優遇を狙う選択も
頻繁に売買を繰り返すデイトレーダーにとって、楽天証券のゼロコースは手数料0円という点で非常に魅力的です。しかし、より高度な取引を行うなら超割コースの大口優遇を視野に入れるべきです。大口優遇ではゼロコースと同じく手数料無料に加え、ポイント還元率が2%、信用建玉上限も拡大されるためです。
大口優遇の条件は「信用取引の当日新規建約定金額3,000万円以上」など、デイトレードの規模によっては達成可能な水準です。一度達成すれば3カ月間継続するため、取引量が多い月に条件を満たしておけば、その後しばらくは優遇を受けられます。自分の月間取引量と相談しながらコースを選びましょう。
ゼロコースにはSOR同意が必須で、NISAの損失は損益通算不可。デイトレーダーは大口優遇の条件達成により、手数料無料+2%ポイント還元を狙えます。
まとめ
よくある質問
Q: 楽天証券のゼロコースとは何ですか?
A: ゼロコースは、国内株式の現物・信用取引の手数料が約定金額にかかわらず0円になる手数料プランです。ただし、利用にはSOR(Rクロスを含む)への同意が必要です。
Q: 楽天証券の超割コースとゼロコースはどちらが安いですか?
A: 少額の国内株式取引ならゼロコースが有利です。超割コースは取引金額に応じた手数料がかかりますが、大口優遇の条件を満たすと手数料が無料になり、ポイント還元率も2%にアップします。
Q: 楽天証券のNISAで手数料はかかりますか?
A: 楽天証券のNISA口座では、国内株式・米国株式・投資信託などの取引手数料が原則無料です。ただし、投資信託の信託報酬や外国株式の為替コストなどは別途かかります。
Q: 楽天証券で米国株を取引する際の手数料は?
A: 米国株の売買手数料は、ゼロコース・超割コース・いちにち定額コースのいずれでも、約定金額にかかわらず0円です。ただし、為替コストが発生する点に注意が必要です。
Q: 楽天証券のデメリットは何ですか?
A: ゼロコースではSORへの同意が必要なこと、NISAや米国株の手数料が無料でも商品固有の費用がかかること、電話注文には追加手数料がかかることなどが挙げられます。
