概要: 楽天証券で株式売買を始めるための口座開設から、国内株式の買い方・売り方、かぶミニやかぶピタッなどの少額取引、IPO申込の流れ、決算情報の確認方法まで、具体的な手順と注意点を解説します。初心者でも迷わないように、取引の基本から応用までを網羅しました。
楽天証券で株を始める前に知っておくべき口座の種類と基本設定
証券総合口座と特定口座・一般口座の違い
楽天証券で株式取引を始めるには、まず証券総合口座を開設します。この口座は国内株式や投資信託などを取引するための基本口座で、2026年4月時点で1,400万口座を突破しています(出典:楽天証券「証券総合口座数1,400万口座突破」)。証券総合口座の中には、税金の計算方法によって特定口座と一般口座の2種類があります。
特定口座を選ぶと、楽天証券が年間の損益を計算して「年間取引報告書」を作成してくれるため、確定申告が不要になるケースが多く、初心者におすすめです。一方、一般口座は自分で損益を計算して確定申告する必要があります。口座開設時に特定口座の「源泉徴収あり」を選択しておけば、税金の手続きを自動化できます。
NISA口座の基本と開設時の注意点
NISAは国の非課税制度であり、楽天証券独自の商品ではありません。楽天証券のNISA口座数は2026年7月時点で800万口座に達しています(出典:楽天証券「NISA口座数800万口座突破」)。証券総合口座とNISA口座は同時に申し込むことができ、NISA口座で購入した国内株式や投資信託の譲渡益・配当金が非課税になります。
現行NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円です。生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、成長投資枠は最大1,200万円まで使用できます。
また、売却した商品の取得価額分は翌年以降に総枠が復活しますが、その年の年間投資枠は復活しません。
なお、NISA口座は1人1口座しか開設できず、他社から楽天証券へ変更する場合、変更前の金融機関で保有している商品をそのまま移管することはできません。
パスキー認証と初期設定の重要ポイント
2026年6月以降、楽天証券ではログイン時のパスキー認証(FIDO2)が利用者ごとに順次必須化されています(出典:楽天証券「パスキー認証の段階的必須化」2026年5月29日)。従来のID・パスワードと絵文字認証だけではログインできなくなるため、早めの設定をおすすめします。2026年5月31日からはパソコンへのパスキー保存にも対応しました。
そのほか、国内株式の取引手数料を0円にする「ゼロコース」の選択も重要です。ゼロコースの利用にはSOR(Rクロスを含む)への同意が必要で、IFA契約者など一部の利用者は手数料体系が異なる場合があります。入金は楽天銀行とのマネーブリッジ設定で、自動スイープや優遇金利のメリットも受けられます。
証券総合口座を開設したら、特定口座(源泉徴収あり)とゼロコースを選択し、パスキー認証を設定しておけば、スムーズに取引を始められます。
国内株式の買い方:現物・かぶミニ・かぶピタッの違いと手数料
3つの購入方法とそれぞれの特徴
楽天証券で国内株式を購入する方法は、現物取引(単元株)、かぶミニ®(単元未満株取引)、かぶピタッ™(金額指定取引)の3種類です。現物取引は100株単位で売買する通常の取引で、ゼロコース選択時は手数料無料です。リアルタイムで注文が約定し、配当金や株主優待も通常通り受け取れます。
かぶミニ®は1株から購入できる単元未満株取引で、手数料は無料ですがスプレッド0.22%がコストとして発生します(出典:楽天証券ETFセミナー説明資料)。かぶピタッ™は100円から購入できる金額指定取引で、NISA口座のみで利用可能です。かぶピタッ™もスプレッド0.22%がかかり、約定は原則毎営業日9:30となります。1株未満の株式が発生した場合、株主の権利に制約が生じることがあるため注意しましょう。
なお、かぶミニ®とかぶピタッ™は楽天証券が自己で相手方となる店頭取引方式のため、手数料が0円でもスプレッドがコストとして発生します。また、かぶミニ®のスプレッドは相場環境の急変等により変動する場合があります。
手数料・スプレッドを比較する
| 項目 | 現物取引(単元株) | かぶミニ® | かぶピタッ™ |
|---|---|---|---|
| 購入単位 | 100株以上・100株単位 | 1株以上・1株単位 | 100円以上・1円単位 |
| 手数料 | 無料(ゼロコース) | 無料 | 無料 |
| スプレッド | なし | 0.22%(寄付取引はなし) | 0.22% |
| 利用可能口座 | 特定・一般・NISA | 特定・一般・NISA | NISAのみ |
| 約定タイミング | リアルタイム | リアルタイム(寄付取引は前場寄り付き) | 原則9:30(毎営業日) |
初心者におすすめの買い方とポイント投資の活用
まとまった資金がある場合は、スプレッドのかからない現物取引(単元株)がコスト面で有利です。少額から始めたい場合は、かぶミニ®やかぶピタッ™を活用しましょう。特にNISAの成長投資枠で少額投資をしたい方には、かぶピタッ™が適しています。
また、楽天ポイントを使った株式購入も可能です。注文時には購入金額と手数料の総額分の現金が必要で、約定日から3営業日目(夜間取引は4営業日目)の受渡日にポイント分の現金がキャッシュバックされます(出典:楽天証券「ポイント投資(国内株式)」)。ポイント投資単体で購入できるわけではないため、事前に必要な現金を用意しておきましょう。
少額から始めるならかぶミニ®かかぶピタッ™、本格的に取引するならスプレッドのかからない現物取引がおすすめです。各サービスのコスト構造を理解して選びましょう。
国内株式の売り方:注文方法と受渡日・株主優待の注意点
4つの注文方法を使いこなす
楽天証券では、成行注文、指値注文、逆指値注文、セット注文(OCO)の4種類を状況に応じて使い分けられます。成行注文は価格を指定せず即時に約定するため、すぐに売買したい場合に便利です。指値注文は売買価格を指定でき、指定した価格以上(売りの場合)でなければ約定しません。
逆指値注文は、株価が一定水準を下回った場合に自動的に売り注文を出すなど、損失を限定したいときに役立ちます。セット注文(OCO)は、利益確定の指値と損切りの逆指値を同時に設定でき、どちらかが約定するともう一方が自動キャンセルされる仕組みです。iSPEEDアプリでは、ワンクリックで発注できるエクスプレス注文(信用取引のみ)も利用可能です。
受渡日と資金化のタイミング
株式の売買代金の受け渡しは、約定日から3営業日目(夜間取引は4営業日目)です。たとえば月曜日に約定した場合、木曜日が受渡日となります。売却代金をすぐに別の銘柄の購入に充てることは可能ですが、出金できるようになるのは受渡日以降です。
口座残高や保有株式の反映も受渡日ベースで更新されます。売却注文を出した直後は「預り金」として表示されず、受渡日まで待つ必要がある点に注意しましょう。信用取引の場合は、制度信用取引で逆日歩(品貸料)が発生することがあり、想定外のコストがかかるケースもあります。
株主優待・配当金の権利確定と注意点
株主優待や配当金を受け取るには、権利付最終日までに購入し、その日の大引け時点で株式を保有している必要があります。権利確定日は多くの銘柄が3月末と9月末ですが、銘柄ごとに異なるため事前確認が欠かせません。権利付最終日を過ぎてから購入しても、その回の優待や配当は受け取れません。
NISA口座で国内上場株式等の配当金を非課税にするには、株式数比例配分方式の選択が必要です。この設定を忘れると、配当金が課税口座で受け取られてしまいます。なお、NISAで米国株式を保有する場合、米国で源泉徴収される税金まで非課税になるわけではありません。また、NISAで損失が発生しても、特定口座や一般口座の利益との損益通算や損失の繰越控除はできません。
成行はスピード重視、指値は価格重視。受渡日まで資金化できない点と、株主優待の権利付最終日を事前に確認しておくことが大切です。
IPOに参加する方法:申込条件と抽選の流れ、SpaceXの事例も紹介
IPO参加の基本フローと申込条件
楽天証券でIPO(新規公開株式)に参加するには、まずブックビルディングへの申込みが必要です。手順は、ログイン後「国内株式」→「新規公開株式(IPO)」から申込銘柄を選び、目論見書等の閲覧確認を行った上で数量と価格を入力します。取引パスワードを入力して参加申込を完了させます(出典:楽天証券「新規公開株式の抽選、購入申込み等に関する取扱規定」2025年10月改定版)。
参加条件として、住所・電話番号・勤務先などの登録情報が正しく届出されていること、目論見書等の電磁的方法による提供を承諾すること、当該銘柄のブックビルディングに申し込んでいることが必要です。抽選はブックビルディング参加者を対象に行われ、抽選回数は1銘柄につき原則1回です。申込価格が公開価格を下回った場合は抽選対象外となります。
抽選と前受制度の仕組み
IPOの抽選には前受制度があり、抽選までに購入に必要な金額(公開価格×申込株数)を口座に用意しておく必要があります。抽選時点で資金が不足している場合、買付可能額の範囲内の株数で抽選が行われ、最低申込単位に満たない場合は抽選対象外となるため注意しましょう。
抽選に当選または補欠当選すると、購入申込が可能になります。ブックビルディング申込み後の撤回は原則不可で、当選後の購入辞退も制限されます。申込株数の上限は銘柄ごとに別途設定されており、審査基準によって購入が制限される場合もあります。複数銘柄に同時申込する場合は、それぞれに必要な資金を確保しておく必要があります。
SpaceX IPOの事例とNISA活用法
2026年5月、楽天証券は米国SpaceXのIPOを引受対象とすることを発表しました。注目ポイントは円貨決済に対応している点で、ドル建て決済が不要なため為替手数料の負担を抑えられます。また、NISAの成長投資枠での購入も可能とされています(出典:2026年5月時点の報道)。
海外企業のIPOに国内証券会社から参加できるケースは限られており、SpaceXのような注目銘柄は抽選倍率が高くなることが予想されます。実際の上場スケジュールや条件は個別銘柄ページで再確認が必要です。IPO投資は上場初日の価格変動リスクもあるため、公開価格や事業内容を十分に検討した上で申込みましょう。
IPO参加には前受制度で事前に資金準備が必要です。楽天証券はSpaceX IPOの円貨決済に対応し、NISA成長枠でも購入可能とされています。
決算情報や株価・経済カレンダーの確認方法
iSPEEDアプリで決算情報をチェックする
楽天証券のiSPEEDアプリでは、銘柄ごとの決算日や業績情報を簡単に確認できます。国内株式だけでなく、米国株式や為替、金利、アジア・欧州市場、債券など6カテゴリのニュースがリアルタイムで閲覧可能です。決算発表のタイミングでは、売上高や純利益の速報値がすぐに反映されるため、保有銘柄のチェックに役立ちます。
また、株価アラート機能を設定すると、指定した銘柄の価格が一定水準に達したときや、重要なニュースが配信されたときに通知を受け取れます。決算発表前後の急な株価変動を見逃したくない場合に活用しましょう。アプリの操作は、銘柄詳細画面から「ニュース」タブを選ぶだけで、過去の決算情報も遡って確認できます。
マーケットスピードで経済指標を確認する
パソコン向け取引ツールのマーケットスピードでは、経済カレンダー機能を使って各国の経済指標発表スケジュールを確認できます(出典:楽天証券マーケットスピード取扱説明書)。GDPや雇用統計、消費者物価指数などの発表日時が一覧表示され、市場予想との比較も可能です。経済指標は株価全体に影響を与えるため、発表前後のタイミングを把握しておくことが重要です。
経済カレンダーは週間・月間表示に切り替えられるほか、重要度でフィルタリングもできます。特にFOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合の日程は、事前にマークしておきましょう。マーケットスピードは楽天証券の口座があれば無料で利用でき、リアルタイム株価ボードと連携して総合的な投資判断をサポートします。
決算書の読み方とIR情報の活用
投資判断に役立つIR情報は、iSPEEDアプリや楽天証券のウェブサイトから各企業の適時開示資料にアクセスできます。決算短信には売上高、営業利益、経常利益、純利益の4つの利益が記載され、前年同期比での増減を確認することが基本です。特に営業利益は本業の収益力を示すため、継続的にチェックしましょう。
適時開示情報はTDnet(東証の適時開示情報伝達システム)を通じて公開されており、楽天証券のプラットフォーム上でもリアルタイムで反映されます。決算発表後に配信される「決算説明会動画」や「質疑応答サマリー」も、経営陣の考え方を知る貴重な資料です。数字だけでなく、経営戦略や今後の見通しまで目を通すことで、より深い投資判断が可能になります。
iSPEEDアプリで決算ニュースと株価アラートを設定し、マーケットスピードで経済カレンダーを確認すれば、重要な発表を見逃しません。
まとめ
よくある質問
Q: 楽天証券での国内株式の買い方は?
A: 楽天証券では、100株単位の現物取引に加えて、1株単位で買える「かぶミニ」や100円単位で金額指定できる「かぶピタッ」があります。ゼロコースなら現物・信用取引の手数料が無料ですが、かぶミニやかぶピタッにはスプレッドがかかります。
Q: 楽天証券でのIPO申込方法は?
A: 楽天証券にログインし、「国内株式」→「新規公開株式(IPO)」から申込む銘柄を選び、ブックビルディングに参加します。抽選前に購入資金を口座に用意する必要があります。
Q: かぶミニと通常の株式取引の違いは?
A: かぶミニは1株単位で購入でき、手数料は無料ですが、売買にはスプレッド(通常0.22%)がかかります。通常の現物取引は100株単位で、ゼロコースなら手数料が無料です。
Q: 楽天証券でIPO抽選に当たりやすくする条件は?
A: 抽選までに購入資金を口座に用意しておくことが重要です。資金不足の場合は購入可能額の範囲内で抽選となり、最低申込単位に満たない場合は対象外になります。
Q: 楽天証券で決算情報を見る方法は?
A: iSPEEDアプリで各銘柄の決算日やニュースをリアルタイムで確認できます。楽天証券自体の決算情報は、親会社の楽天グループ(4755)の適時開示を通じて公表されます。
